男性更年期
「最近疲れやすい」「意欲が出ない」などの症状はありませんか?
その症状は男性更年期障害の症状かもしれません。
男性更年期障害の原因は様々ですが、男性ホルモンであるテストステロンの低下により生じるLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群:Late-Onset Hypogonadism)の可能性が考えられます。
原因
重度のストレス、環境の変化などにより血液中の男性ホルモン(テストステロン)が急激に減少することによって男性更年期障害の症状が顕著に表れやすくなります。また、加齢とともに男性ホルモンが徐々に減少する際にも男性更年期障害の症状が少しずつ現れてくることがあります。この場合は男性更年期障害の症状であるにも関わらず、他の病気であると診断されることもあります。
おもな症状
- リビドー(性欲)と勃起能の質と頻度、とりわけ夜間睡眠勃起の減退
- 知的活動、認知力、見当識の低下および疲労感、抑うつ、短期などに伴う気分変調
- 睡眠障害
- 筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少
- 内臓脂肪の増加
- 体毛と皮膚の変化
- 骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加
(Lunenfeld, et al: Aging Male 8:56-58,2005)
男性更年期障害(LOH症候群)チェックリスト
診断
- AMSチェックリストにて更年期症状有と判定された男性の多くはテストステロンの低下を示します。実際には血中遊離テストステロン濃度の測定を行います。
- 男性更年期障害と同じような症状を認める疾患(糖尿病など)についての検査も同時に行います。
治療
- 血中遊離テストステロン値が8.5pg/mL未満の場合はホルモン補充(アンドロゲン補充療法;AST)を行います。
- 日本でテストステロン補充療法として主に使用されている薬剤はエナント酸テストステロンの注射剤およびテストステロンの塗り薬です。
- 日本で保険診療が認められているテストステロン補充療法の薬剤は注射剤のみとなります。
- 漢方薬治療が行われることもあります。
- 食事、運動を中心とした生活習慣の改善も重要です。
前立腺がんの心配は?
- 前立腺がんの主な原因としては 加齢 遺伝 食生活の欧米化 男性ホルモン が考えられています。
- テストステロンは前立腺がんの原因になることはないといわれています。しかし、前立腺がんの人に使用すると悪化する可能性があります。そのため、前立腺がんの人およびPSAが2ng/ml以上の人には原則的に使用できません。
当院では随時「男性更年期障害(LOH症候群)」の診察を行っています。
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